顔認証システムの2つの運用方式

 

顔認証技術には、SDKのライブラリを使用してエッジデバイス内にシステムを内蔵する「エッジ方式」と、マイクロソフトやAmazonなどのクラウドベースの外部APIソリューションを使う「クラウド方式」があります。それぞれ以下のような特徴がありますが、エッジ型による顔認証が、処理速度、セキュリティ、運用コストなどの面において優れているといえます。

・エッジ方式による顔認証
エッジデバイスに顔認証システムが搭載されている「エッジ型」では、クラウド処理やデータ送信による遅延がなく、リアルタイムに正確な顔認証を実行することができます。また外部のデータベースにアクセスする場合でも、エッジデバイスから暗号化された容量の少ない画像データを送信して、データベース上のテンプレートと照合するため、高速で顔認証処理を実施できます。必要な画像データのみをクラウドに上げるので、通信コストを抑えることもできます。

・クラウド方式による顔認証
カメラの映像をクラウドに直接送り、顔認証を行うシステムです。大量のネットワーク帯域幅が必要なため、データ通信のコストが増大するのがデメリットです。加えて、インターネット経由で顔写真データが送信されるため、脆弱なネットワークシステムでは、情報漏洩やハッキングのセキュリティリスクもあります。ただエッジデバイスの大規模な導入を必要としないため、すでに完全オンラインのビジネスを展開している場合などは、クラウド型での顔認証システムが適しています。